6色分け六法  >  民事執行法  > 編章別条文 > 第2章 第2節 第1款 第3目 強制管理
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第2章 強制執行    全条文     編章別条文→     ← 前章     次章 →     ↑先頭へ
第2節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行    全条文     編章別条文→     ← 前節     次節 →     ↑先頭へ
第1款 不動産に対する強制執行    全条文     編章別条文→     次款 →     ↑先頭へ
第3目 強制管理    全条文     編章別条文→     ← 前目     ↑先頭へ
(開始決定等)    条文別へ
第93条  執行裁判所は、
強制管理の手続を開始するには、
強制管理の開始決定をし、
その開始決定において、
債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言し、

かつ、 債務者に対し収益の処分を禁止し、
及び 債務者が賃貸料の請求権その他の当該不動産の収益に係る給付を求める権利(以下「給付請求権」という。)を有するときは、
債務者に対して当該給付をする義務を負う者(以下「給付義務者」という。)に対しその給付の目的物を管理人に交付すべき旨を命じなければならない。
2項  前項の収益は、
後に収穫すべき天然果実
及び 既に弁済期が到来し、 又は 後に弁済期が到来すべき法定果実とする。
3項  第1項の開始決定は
債務者 及び 給付義務者に送達しなければならない。
4項  給付義務者に対する第1項の開始決定の効力は、
開始決定が当該給付義務者に送達された時に生ずる。
5項  強制管理の申立てについての裁判に対しては、
執行抗告をすることができる。
(二重開始決定)    条文別へ
第93条の2   既に強制管理の開始決定がされ、
又は 第180条第2号に規定する担保不動産収益執行の開始決定がされた不動産について強制管理の申立てがあつたときは、

執行裁判所は、
更に強制管理の開始決定をするものとする。
(給付義務者に対する競合する債権差押命令等の陳述の催告)    条文別へ
第93条の3   裁判所書記官は、
給付義務者に強制管理の開始決定を送達するに際し、
当該給付義務者に対し、
開始決定の送達の日から2週間以内に給付請求権に対する差押命令 又は 差押処分の存否その他の最高裁判所規則で定める事項について陳述すべき旨を催告しなければならない。

この場合においては、
第147条第2項の規定を準用する。
(給付請求権に対する競合する債権差押命令等の効力の停止等)    条文別へ
第93条の4  第93条第4項の規定により強制管理の開始決定の効力が給付義務者に対して生じたときは、
給付請求権に対する差押命令 又は 差押処分であつて既に効力が生じていたものは、
その効力を停止する。
ただし、 強制管理の開始決定の給付義務者に対する効力の発生が第165条各号第167条の14において第165条各号第3号 及び 第4号を除く。)の規定を準用する場合 及び 第193条第2項において準用する場合を含む。)に掲げる時後であるときは
この限りでない。
2項  第93条第4項の規定により強制管理の開始決定の効力が給付義務者に対して生じたときは、
給付請求権に対する仮差押命令であつて既に効力が生じていたものは、
その効力を停止する。
3項  第1項の差押命令 又は 差押処分の債権者、
同項の差押命令 又は 差押処分が効力を停止する時までに当該債権執行
第143条に規定する債権執行をいう。) 又は 少額訴訟債権執行第167条の2第2項に規定する少額訴訟債権執行をいう。)の手続において配当要求をした債権者
及び 前項の仮差押命令の債権者は、

第107条第4項の規定にかかわらず、
前2項の強制管理の手続において配当等を受けることができる。
(管理人の選任)    条文別へ
第94条  執行裁判所は、
強制管理の開始決定と同時に、
管理人を選任しなければならない。
2項  信託会社信託業法第3条 又は 第53条第1項の免許を受けた者をいう。)
銀行その他の法人は、

管理人となることができる。
(管理人の権限)    条文別へ
第95条  管理人は、
強制管理の開始決定がされた不動産について、
管理 並びに 収益の収取 及び 換価をすることができる。
2項  管理人は、
民法第602条
に定める期間を超えて不動産を賃貸するには、

債務者の同意を得なければならない。
3項  管理人が数人あるときは、
共同してその職務を行う。
ただし、 執行裁判所の許可を受けて、
職務を分掌することができる。
4項  管理人が数人あるときは、
第三者の意思表示は、
その一人に対してすれば足りる。
(強制管理のための不動産の占有等)    条文別へ
第96条  管理人は、
不動産について、
債務者の占有を解いて自らこれを占有することができる。
2項  管理人は、
前項の場合において、
閉鎖した戸を開く必要があると認めるときは、

執行官に対し援助を求めることができる。
3項  第57条第3項の規定は、
前項の規定により援助を求められた執行官
について準用する。
(建物使用の許可)    条文別へ
第97条  債務者の居住する建物について強制管理の開始決定がされた場合において、
債務者が他に居住すべき場所を得ることができないときは、

執行裁判所は、
申立てにより、
債務者 及び その者と生計を一にする同居の親族
婚姻 又は 縁組の届出をしていないが債務者と事実上夫婦 又は 養親子と同様の関係にある者を含む。以下「債務者等」という。)の居住に必要な限度において、
期間を定めて、

その建物の使用を許可することができる。
2項  債務者が管理人の管理を妨げたとき、
又は 事情の変更があつたときは、

執行裁判所は、
申立てにより、
前項の規定による決定を取り消し、
又は 変更することができる。
3項  前2項の申立てについての決定に対しては、
執行抗告をすることができる。
(収益等の分与)    条文別へ
第98条  強制管理により債務者の生活が著しく困窮することとなるときは、
執行裁判所は、
申立てにより、
管理人に対し、
収益 又は その換価代金からその困窮の程度に応じ必要な金銭 又は 収益を債務者に分与すべき旨を命ずることができる。
2項  前条第2項の規定は
前項の規定による決定について、
同条第3項の規定は
前項の申立て 又は この項において準用する前条第2項の申立てについての決定
について準用する。
(管理人の監督)    条文別へ
第99条   管理人は、
執行裁判所が監督する。
(管理人の注意義務)    条文別へ
第100条  管理人は、
善良な管理者の注意をもつてその職務を行わなければならない。
2項  管理人が前項の注意を怠つたときは、
その管理人は、
利害関係を有する者に対し、
連帯して損害を賠償する責めに任ずる。
(管理人の報酬等)    条文別へ
第101条  管理人は、
強制管理のため必要な費用の前払 及び 執行裁判所の定める報酬を受けることができる。
2項  前項の規定による決定に対しては、
執行抗告をすることができる。
(管理人の解任)    条文別へ
第102条   重要な事由があるときは、
執行裁判所は、
利害関係を有する者の申立てにより、
又は 職権で、
管理人を解任することができる。

この場合においては、
その管理人を審尋しなければならない。
(計算の報告義務)    条文別へ
第103条   管理人の任務が終了した場合においては、
管理人 又は その承継人は、
遅滞なく、
執行裁判所に計算の報告をしなければならない。
(強制管理の停止)    条文別へ
第104条  第39条第1項第7号 又は 第8号に掲げる文書の提出があつた場合においては、
強制管理は、
配当等の手続を除き、
その時の態様で継続することができる。
この場合においては、
管理人は、
配当等に充てるべき金銭を供託し、
その事情を執行裁判所に届け出なければならない。
2項  前項の規定により供託された金銭の額で各債権者の債権 及び 執行費用の全部を弁済することができるときは、
執行裁判所は、
配当等の手続を除き、
強制管理の手続を取り消さなければならない。
(配当要求)    条文別へ
第105条  執行力のある債務名義の正本を有する債権者
及び 第181条第1項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、

執行裁判所に対し、
配当要求をすることができる。
2項  配当要求を却下する裁判に対しては、
執行抗告をすることができる。
(配当等に充てるべき金銭等)    条文別へ
第106条  配当等に充てるべき金銭は、
第98条第1項の規定による分与をした後の収益 又は その換価代金から、
不動産に対して課される租税その他の公課 及び 管理人の報酬その他の必要な費用を
控除したものとする。
2項  配当等に充てるべき金銭を生ずる見込みがないときは、
執行裁判所は、
強制管理の手続を取り消さなければならない。
(管理人による配当等の実施)    条文別へ
第107条  管理人は、
前条第1項に規定する費用を支払い、
執行裁判所の定める期間ごとに、
配当等に充てるべき金銭の額を計算して、
配当等を実施しなければならない。
2項  債権者が一人である場合
又は 債権者が二人以上であつて配当等に充てるべき金銭で各債権者の債権 及び 執行費用の全部を弁済することができる場合には、

管理人は、
債権者に弁済金を交付し、
剰余金を債務者に交付する。
3項  前項に規定する場合を除き、
配当等に充てるべき金銭の配当について債権者間に協議が調つたときは、
管理人は、
その協議に従い配当を実施する。
4項  配当等を受けるべき債権者は、
次に掲げる者とする。
 差押債権者のうち次のイからハまでのいずれかに該当するもの
 第1項の期間の満了までに強制管理の申立てをしたもの
 第1項の期間の満了までに一般の先取特権の実行として第180条第2号に規定する担保不動産収益執行の申立てをしたもの
 第1項の期間の満了までに第180条第2号に規定する担保不動産収益執行の申立てをしたものロに掲げるものを除く。)であつて、当該申立てが最初の強制管理の開始決定に係る差押えの登記前に登記民事保全法第53条第2項に規定する保全仮登記を含む。)がされた担保権に基づくもの
 仮差押債権者第1項の期間の満了までに強制管理の方法による仮差押えの執行の申立てをしたものに限る。)
 第1項の期間の満了までに配当要求をした債権者
5項  第3項の協議が調わないときは、
管理人は、
その事情を執行裁判所に届け出なければならない。
(管理人による配当等の額の供託)    条文別へ
第108条   配当等を受けるべき債権者の債権について第91条第1項各号第7号を除く。)に掲げる事由があるときは、
管理人は、
その配当等の額に相当する金銭を供託し、
その事情を執行裁判所に届け出なければならない。

債権者が配当等の受領のために出頭しなかつたときも、
同様とする。
(執行裁判所による配当等の実施)    条文別へ
第109条   執行裁判所は、
第107条第5項の規定による届出があつた場合には
直ちに、
第104条第1項 又は 前条の規定による届出があつた場合には
供託の事由が消滅したときに、
配当等の手続を実施しなければならない。
(弁済による強制管理の手続の取消し)    条文別へ
第110条   各債権者が配当等によりその債権 及び 執行費用の全部の弁済を受けたときは、
執行裁判所は、
強制管理の手続を取り消さなければならない。
(強制競売の規定の準用)    条文別へ
第111条   第46条第1項、
第47条第2項、第6項本文 及び 第7項、
第48条、
第53条、
第54条、
第84条第3項 及び 第4項、
第87条第2項 及び 第3項
並びに 第88条の規定は

強制管理について、
第84条第1項 及び 第2項、
第85条
並びに 第89条から第92条までの規定は

第109条の規定により執行裁判所が実施する配当等の手続について準用する。
この場合において、
第84条第3項 及び 第4項中「代金の納付後」とあるのは、
「第107条第1項の期間の経過後」と読み替えるものとする。

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