6色分け六法  >  民事執行法  > 編章別条文 > 第2章 第2節 第4款 債権 及び その他の財産権に対する強制執行
民事執行法    全条文     全編章
第2章 強制執行    全条文     編章別条文→     ← 前章     次章 →     ↑先頭へ
第2節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行    全条文     編章別条文→     ← 前節     次節 →     ↑先頭へ
第4款 債権 及び その他の財産権に対する強制執行    全条文     編章別条文→     ← 前款     次款 →     ↑先頭へ
第1目 債権執行等    全条文     編章別条文→     次目 →     ↑先頭へ
(債権執行の開始)    条文別へ
第143条   金銭の支払 又は 船舶 若しくは 動産の引渡しを目的とする債権動産執行の目的となる有価証券が発行されている債権を除く。以下この節において「債権」という。)に対する強制執行第167条の2第2項に規定する少額訴訟債権執行を除く。以下この節において「債権執行」という。)は、
執行裁判所の差押命令により開始する。
(執行裁判所)    条文別へ
第144条  債権執行については、
債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が
この普通裁判籍がないときは
差し押さえるべき債権の所在地を管轄する地方裁判所が
執行裁判所として管轄する。
2項  差し押さえるべき債権は、
その債権の債務者(以下「第三債務者」という。)の普通裁判籍の所在地にあるものとする。
ただし、 船舶 又は 動産の引渡しを目的とする債権 及び 物上の担保権により担保される債権は
その物の所在地にあるものとする。
3項  差押えに係る債権差押命令により差し押さえられた債権に限る。以下この目において同じ。)について更に差押命令が発せられた場合において、
差押命令を発した執行裁判所が異なるときは、

執行裁判所は、
事件を他の執行裁判所に移送することができる。
4項  前項の規定による決定に対しては、
不服を申し立てることができない。
(差押命令)    条文別へ
第145条  執行裁判所は、
差押命令において、
債務者に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、

かつ、 第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。
2項  差押命令は、
債務者 及び 第三債務者を審尋しないで発する。
3項  差押命令は
債務者 及び 第三債務者に送達しなければならない。
4項  差押えの効力は、
差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。
5項  差押命令の申立てについての裁判に対しては、
執行抗告をすることができる。
(差押えの範囲)    条文別へ
第146条  執行裁判所は、
差し押さえるべき債権の全部について差押命令を発することができる。
2項  差し押さえた債権の価額が
差押債権者の債権 及び 執行費用の額を
超えるときは、

執行裁判所は、
他の債権を差し押さえてはならない。
(第三債務者の陳述の催告)    条文別へ
第147条  差押債権者の申立てがあるときは、
裁判所書記官は、
差押命令を送達するに際し、
第三債務者に対し、
差押命令の送達の日から2週間以内に差押えに係る債権の存否その他の最高裁判所規則で定める事項について陳述すべき旨
を催告しなければならない。
2項  第三債務者は、
前項の規定による催告に対して、
故意 又は 過失により、
陳述をしなかつたとき、
又は 不実の陳述をしたときは、

これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。
(債権証書の引渡し)    条文別へ
第148条  差押えに係る債権について証書があるときは、
債務者は、
差押債権者に対し、
その証書を引き渡さなければならない。
2項  差押債権者は、
差押命令に基づいて、
第169条に規定する動産の引渡しの強制執行の方法により

前項の証書の引渡しを受けることができる。
(差押えが一部競合した場合の効力)    条文別へ
第149条   債権の一部が差し押さえられ、
又は 仮差押えの執行を受けた場合において、
その残余の部分を超えて差押命令が発せられたときは、

各差押え 又は 仮差押えの執行の効力は、
その債権の全部に及ぶ。
債権の全部が差し押さえられ、
又は 仮差押えの執行を受けた場合において、

その債権の一部について差押命令が発せられたときのその差押えの効力も、
同様とする。
(先取特権等によつて担保される債権の差押えの登記等の嘱託)    条文別へ
第150条   登記 又は 登録(以下「登記等」という。)のされた先取特権、質権 又は 抵当権によつて担保される債権に対する差押命令が効力を生じたときは、
裁判所書記官は、
申立てにより、
その債権について差押えがされた旨の登記等を嘱託しなければならない。
(継続的給付の差押え)    条文別へ
第151条   給料その他継続的給付に係る債権に対する差押えの効力は、
差押債権者の債権 及び 執行費用の額を限度として、
差押えの後に受けるべき給付に及ぶ。
(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)    条文別へ
第151条の2  債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、
その一部に不履行があるときは、

第30条第1項の規定にかかわらず、
当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても
債権執行を開始することができる。
 民法第752条の規定による夫婦間の協力 及び 扶助の義務
 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
 民法第766条同法第749条第771条 及び 第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務
2項  前項の規定により開始する債権執行においては、
各定期金債権について、
その確定期限の到来後に弁済期が到来する給料その他継続的給付に係る債権のみ
を差し押さえることができる。
(差押禁止債権)    条文別へ
第152条  次に掲げる債権については、
その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは政令で定める額に相当する部分
差し押さえてはならない。
 債務者が国 及び 地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
 給料、賃金、俸給、退職年金 及び 賞与 並びに これらの性質を有する給与に係る債権
2項  退職手当 及び その性質を有する給与に係る債権については、
その給付の4分の3に相当する部分は
差し押さえてはならない。
3項  債権者が前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における
前2項の規定の適用については、
前2項中「4分の3」とあるのは、
「2分の1」とする。
(差押禁止債権の範囲の変更)    条文別へ
第153条  執行裁判所は、
申立てにより、
債務者 及び 債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、

差押命令の全部 若しくは 一部を取り消し、
又は 前条の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる。
2項  事情の変更があつたときは、
執行裁判所は、
申立てにより、
前項の規定により差押命令が取り消された債権を差し押さえ、
又は 同項の規定による差押命令の全部 若しくは 一部を取り消すことができる。
3項  前2項の申立てがあつたときは、
執行裁判所は、
その裁判が効力を生ずるまでの間、
担保を立てさせ、
又は 立てさせないで、
第三債務者に対し、
支払その他の給付の禁止を命ずることができる。
4項  第1項 又は 第2項の規定による差押命令の取消しの申立てを却下する決定に対しては、
執行抗告をすることができる。
5項  第3項の規定による決定に対しては、
不服を申し立てることができない。
(配当要求)    条文別へ
第154条  執行力のある債務名義の正本を有する債権者 及び 文書により先取特権を有することを証明した債権者は、
配当要求をすることができる。
2項  前項の配当要求があつたときは、
その旨を記載した文書は、
第三債務者に送達しなければならない。
3項  配当要求を却下する裁判に対しては、
執行抗告をすることができる。
(差押債権者の金銭債権の取立て)    条文別へ
第155条  金銭債権を差し押さえた債権者は、
債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは
その債権を取り立てることができる。
ただし、 差押債権者の債権 及び 執行費用の額を超えて支払を受けることができない。
2項  差押債権者が第三債務者から支払を受けたときは、
その債権 及び 執行費用は、
支払を受けた額の限度で、
弁済されたものとみなす。
3項  差押債権者は、
前項の支払を受けたときは、
直ちに、
その旨を執行裁判所に届け出なければならない。
(第三債務者の供託)    条文別へ
第156条  第三債務者は、
差押えに係る金銭債権差押命令により差し押さえられた金銭債権に限る。次項において同じ。)の全額に相当する金銭を
債務の履行地の供託所に供託することができる。
2項  第三債務者は、
次条第1項に規定する訴えの訴状の送達を受ける時までに、
差押えに係る金銭債権のうち差し押さえられていない部分を超えて発せられた差押命令、差押処分 又は 仮差押命令の送達を受けたときは
その債権の全額に相当する金銭を、
配当要求があつた旨を記載した文書の送達を受けたときは
差し押さえられた部分に相当する金銭を
債務の履行地の供託所に供託しなければならない。
3項  第三債務者は、
前2項の規定による供託をしたときは、
その事情を
執行裁判所に届け出なければならない。
(取立訴訟)    条文別へ
第157条  差押債権者が第三債務者に対し差し押さえた債権に係る給付を求める訴え(以下「取立訴訟」という。)を提起したときは、
受訴裁判所は、
第三債務者の申立てにより、
他の債権者で訴状の送達の時までにその債権を差し押さえたものに対し、
共同訴訟人として原告に参加すべきことを命ずることができる。
2項  前項の裁判は、
口頭弁論を経ないですることができる。
3項  取立訴訟の判決の効力は、
第1項の規定により参加すべきことを命じられた差押債権者で参加しなかつたものにも及ぶ。
4項  前条第2項の規定により供託の義務を負う第三債務者に対する取立訴訟において、
原告の請求を認容するときは、

受訴裁判所は、
請求に係る金銭の支払は供託の方法によりすべき旨
を判決の主文に掲げなければならない。
5項  強制執行 又は 競売において、
前項に規定する判決の原告が配当等を受けるべきときは、

その配当等の額に相当する金銭は、
供託しなければならない。
(債権者の損害賠償)    条文別へ
第158条   差押債権者は、
債務者に対し、
差し押さえた債権の行使を怠つたことによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。
(転付命令)    条文別へ
第159条  執行裁判所は、
差押債権者の申立てにより、
支払に代えて券面額で差し押さえられた金銭債権を差押債権者に転付する命令(以下「転付命令」という。)を発することができる。
2項  転付命令は
債務者 及び 第三債務者に送達しなければならない。
3項  転付命令が第三債務者に送達される時までに、
転付命令に係る金銭債権について、
他の債権者が差押え、仮差押えの執行 又は 配当要求をしたときは、

転付命令は、
その効力を生じない。
4項  第1項の申立てについての決定に対しては、
執行抗告をすることができる。
5項  転付命令は、
確定しなければその効力を生じない。
6項  転付命令が発せられた後に第39条第1項第7号 又は 第8号に掲げる文書を提出したことを理由として執行抗告がされたときは、
抗告裁判所は、
他の理由により転付命令を取り消す場合を除き、
執行抗告についての裁判を留保しなければならない。
(転付命令の効力)    条文別へ
第160条   差押命令 及び 転付命令が確定した場合においては、
差押債権者の債権 及び 執行費用は、
転付命令に係る金銭債権が存する限り、
その券面額で、
転付命令が第三債務者に送達された時に
弁済されたものとみなす。
(譲渡命令等)    条文別へ
第161条  差し押さえられた債権が
条件付 若しくは 期限付であるとき、
又は 反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるときは、

執行裁判所は、
差押債権者の申立てにより、
その債権を
執行裁判所が定めた価額で
支払に代えて差押債権者に譲渡する命令(以下「譲渡命令」という。)
取立てに代えて、執行裁判所の定める方法によりその債権の売却を執行官に命ずる命令
(以下「売却命令」という。) 又は 管理人を選任してその債権の管理を命ずる命令(以下「管理命令」という。)その他相当な方法による換価を命ずる命令
を発することができる。
2項  執行裁判所は、
前項の規定による決定をする場合には
債務者を審尋しなければならない。
ただし、 債務者が外国にあるとき
又は その住所が知れないときは、
この限りでない。
3項  第1項の申立てについての決定に対しては、
執行抗告をすることができる。
4項  第1項の規定による決定は、
確定しなければその効力を生じない。
5項  執行官は、
差し押さえられた債権を売却したときは、
債務者に代わり、
第三債務者に対し、
確定日付のある証書によりその譲渡の通知をしなければならない。
6項  第159条第2項 及び 第3項 並びに 前条の規定は
譲渡命令について、
第159条第6項の規定は
譲渡命令に対する執行抗告について、
第65条
及び 第68条の規定は

売却命令に基づく執行官の売却について、
第159条第2項の規定は
管理命令について、
第84条第3項 及び 第4項、
第88条、
第94条第2項、
第95条第1項、第3項 及び 第4項、
第98条から第104条まで
並びに 第106条から第110条までの規定は

管理命令に基づく管理
について準用する。

この場合において、
第84条第3項 及び 第4項中「代金の納付後」とあるのは、
「第161条において準用する第107条第1項の期間の経過後」と読み替えるものとする。
(船舶の引渡請求権の差押命令の執行)    条文別へ
第162条  船舶の引渡請求権を差し押さえた債権者は、
債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、
第三債務者に対し、
船舶の所在地を管轄する地方裁判所の選任する保管人にその船舶を引き渡すべきことを請求することができる。
2項  前項の規定により保管人が引渡しを受けた船舶の強制執行は、
船舶執行の方法により行う。
3項  第1項に規定する保管人が船舶の引渡しを受けた場合において、
その船舶について強制競売の開始決定がされたときは、

その保管人は、
第116条第1項の規定により選任された保管人とみなす。
(動産の引渡請求権の差押命令の執行)    条文別へ
第163条  動産の引渡請求権を差し押さえた債権者は、
債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、
第三債務者に対し、
差押債権者の申立てを受けた執行官にその動産を引き渡すべきこと
を請求することができる。
2項  執行官は、
動産の引渡しを受けたときは、
動産執行の売却の手続によりこれを売却し、
その売得金を執行裁判所に提出しなければならない。
(移転登記等の嘱託)    条文別へ
第164条  第150条に規定する債権について、
転付命令 若しくは 譲渡命令が確定したとき、
又は 売却命令による売却が終了したときは、

裁判所書記官は、
申立てにより、
その債権を取得した差押債権者 又は 買受人のために先取特権、質権 又は 抵当権の移転の登記等を嘱託し、
及び 同条の規定による登記等の抹消を嘱託しなければならない。
2項  前項の規定による嘱託をする場合次項に規定する場合を除く。)においては、
嘱託書に、
転付命令 若しくは 譲渡命令の正本
又は 売却命令に基づく売却について執行官が作成した文書の謄本
を添付しなければならない。
3項  第1項の規定による嘱託をする場合において、
不動産登記法第16条第2項
他の法令において準用する場合を含む。)において準用する同法第18条の規定による嘱託をするときは、
その嘱託情報と併せて
転付命令 若しくは 譲渡命令があつたことを証する情報
又は 売却命令に基づく売却について執行官が作成した文書の内容を証する情報
を提供しなければならない。
4項  第1項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、
同項に規定する差押債権者 又は 買受人の負担とする。
5項  第150条の規定により登記等がされた場合において、
差し押さえられた債権について支払 又は 供託があつたことを証する文書が提出されたときは、

裁判所書記官は、
申立てにより、
その登記等の抹消を嘱託しなければならない。

債権執行の申立てが取り下げられたとき、
又は 差押命令の取消決定が確定したときも、

同様とする。
6項  前項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、
同項前段の場合にあつては
債務者の負担とし、
同項後段の場合にあつては
差押債権者の負担とする。
(配当等を受けるべき債権者の範囲)    条文別へ
第165条   配当等を受けるべき債権者は、
次に掲げる時までに
差押え、仮差押えの執行 又は 配当要求をした債権者とする。
 第三債務者が第156条第1項 又は 第2項の規定による供託をした時
 取立訴訟の訴状が第三債務者に送達された時
 売却命令により執行官が売得金の交付を受けた時
 動産引渡請求権の差押えの場合にあつては、執行官がその動産の引渡しを受けた時
(配当等の実施)    条文別へ
第166条  執行裁判所は、
第161条第6項において準用する第109条に規定する場合のほか、
次に掲げる場合には、
配当等を実施しなければならない。
 第156条第1項 若しくは 第2項 又は 第157条第5項の規定による供託がされた場合
 売却命令による売却がされた場合
 第163条第2項の規定により売得金が提出された場合
2項  第84条、
第85条
及び 第88条から第92条までの規定は、

前項の規定により執行裁判所が実施する配当等の手続
について準用する。
(その他の財産権に対する強制執行)    条文別へ
第167条  不動産船舶動産 及び 債権以外の財産権(以下この条において「その他の財産権」という。)に対する強制執行については、
特別の定めがあるもののほか、
債権執行の例による。
2項  その他の財産権で権利の移転について登記等を要するものは、
強制執行の管轄については
その登記等の地にあるものとする。
3項  その他の財産権で第三債務者 又は これに準ずる者がないものに対する差押えの効力は、
差押命令が債務者に送達された時に生ずる。
4項  その他の財産権で権利の移転について登記等を要するものについて差押えの登記等が差押命令の送達前にされた場合には、
差押えの効力は、
差押えの登記等がされた時に生ずる。
ただし、 その他の財産権で権利の処分の制限について登記等をしなければその効力が生じないものに対する差押えの効力は、
差押えの登記等が差押命令の送達後にされた場合においても、
差押えの登記等がされた時に生ずる。
5項  第48条、
第54条
及び 第82条の規定は、

権利の移転について登記等を要するその他の財産権の強制執行に関する登記等
について準用する。
第2章 強制執行    全条文     編章別条文→     ← 前章     次章 →     ↑先頭へ
第2節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行    全条文     編章別条文→     ← 前節     次節 →     ↑先頭へ
第4款 債権 及び その他の財産権に対する強制執行    全条文     編章別条文→     ← 前款     次款 →     ↑先頭へ
第2目 少額訴訟債権執行    全条文     編章別条文→     ← 前目     ↑先頭へ
(少額訴訟債権執行の開始等)    条文別へ
第167条の2  次に掲げる少額訴訟に係る債務名義による金銭債権に対する強制執行は、
前目の定めるところにより裁判所が行うほか、
第2条の規定にかかわらず、
申立てにより、
この目の定めるところにより

裁判所書記官が行う。
 少額訴訟における確定判決
 仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決
 少額訴訟における訴訟費用 又は 和解の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分
 少額訴訟における和解 又は 認諾の調書
 少額訴訟における民事訴訟法第275条の2第1項の規定による和解に代わる決定
2項  前項の規定により裁判所書記官が行う同項の強制執行(以下この目において「少額訴訟債権執行」という。)は、
裁判所書記官の差押処分により開始する。
3項  少額訴訟債権執行の申立ては、
次の各号に掲げる債務名義の区分に応じ、
それぞれ当該各号に定める簡易裁判所の裁判所書記官に対してする。
 第1項第1号に掲げる債務名義 同号の判決をした簡易裁判所
 第1項第2号に掲げる債務名義 同号の判決をした簡易裁判所
 第1項第3号に掲げる債務名義 同号の処分をした裁判所書記官の所属する簡易裁判所
 第1項第4号に掲げる債務名義 同号の和解が成立し、 又は 同号の認諾がされた簡易裁判所
 第1項第5号に掲げる債務名義 同号の和解に代わる決定をした簡易裁判所
4項  第144条第3項 及び 第4項の規定は、
差押えに係る金銭債権差押処分により差し押さえられた金銭債権に限る。以下この目において同じ。)について更に差押処分がされた場合
について準用する。
この場合において、
同条第3項中「差押命令を発した執行裁判所」とあるのは
「差押処分をした裁判所書記官の所属する簡易裁判所」と、
「執行裁判所は」とあるのは
「裁判所書記官は」と、
「他の執行裁判所」とあるのは
「他の簡易裁判所の裁判所書記官」と、
同条第4項中「決定」とあるのは
「裁判所書記官の処分」と読み替えるものとする。
(執行裁判所)    条文別へ
第167条の3   少額訴訟債権執行の手続において裁判所書記官が行う執行処分に関しては、
その裁判所書記官の所属する簡易裁判所をもつて執行裁判所とする。
(裁判所書記官の執行処分の効力等)    条文別へ
第167条の4  少額訴訟債権執行の手続において裁判所書記官が行う執行処分は、
特別の定めがある場合を除き、
相当と認める方法で告知することによつて、
その効力を生ずる。
2項  前項に規定する裁判所書記官が行う執行処分に対しては、
執行裁判所に執行異議を申し立てることができる。
3項  第10条第6項前段 及び 第9項の規定は、
前項の規定による執行異議の申立てがあつた場合
について準用する。
(差押処分)    条文別へ
第167条の5  裁判所書記官は、
差押処分において、
債務者に対し金銭債権の取立てその他の処分を禁止し、

かつ、 第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。
2項  第145条第2項から第4項までの規定は、
差押処分
について準用する。
3項  差押処分の申立てについての裁判所書記官の処分に対する執行異議の申立ては
その告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。
4項  前項の執行異議の申立てについての裁判に対しては、
執行抗告をすることができる。
5項  民事訴訟法第74条第1項の規定は、
差押処分の申立てについての裁判所書記官の処分について準用する。
この場合においては、
第3項 及び 前項 並びに 同条第3項の規定を準用する。
(費用の予納等)    条文別へ
第167条の6  少額訴訟債権執行についての第14条第1項 及び 第4項の規定の適用については、
これらの規定中「執行裁判所」とあるのは、
「裁判所書記官」とする。
2項  第14条第2項 及び 第3項の規定は
前項の規定により読み替えて適用する同条第1項の規定による裁判所書記官の処分については
適用しない。
3項  第1項の規定により読み替えて適用する第14条第4項の規定による裁判所書記官の処分に対する執行異議の申立ては
その告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。
4項  前項の執行異議の申立てを却下する裁判に対しては、
執行抗告をすることができる。
5項  第1項の規定により読み替えて適用する第14条第4項の規定により少額訴訟債権執行の手続を取り消す旨の裁判所書記官の処分は、
確定しなければその効力を生じない。
(第三者異議の訴えの管轄裁判所)    条文別へ
第167条の7   少額訴訟債権執行の不許を求める第三者異議の訴えは、
第38条第3項の規定にかかわらず、
執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
(差押禁止債権の範囲の変更)    条文別へ
第167条の8  執行裁判所は、
申立てにより、
債務者 及び 債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、

差押処分の全部 若しくは 一部を取り消し、
又は 第167条の14において準用する第152条の規定により差し押さえてはならない金銭債権の部分について差押処分をすべき旨を命ずることができる。
2項  事情の変更があつたときは、
執行裁判所は、
申立てにより、
前項の規定により差押処分が取り消された金銭債権について差押処分をすべき旨を命じ、
又は 同項の規定によりされた差押処分の全部 若しくは 一部を取り消すことができる。
3項  第153条第3項から第5項までの規定は、
前2項の申立てがあつた場合
について準用する。
この場合において、
同条第4項中「差押命令」とあるのは、
「差押処分」と読み替えるものとする。
(配当要求)    条文別へ
第167条の9  執行力のある債務名義の正本を有する債権者 及び 文書により先取特権を有することを証明した債権者は、
裁判所書記官に対し、
配当要求をすることができる。
2項  第154条第2項の規定は、
前項の配当要求があつた場合
について準用する。
3項  第1項の配当要求を却下する旨の裁判所書記官の処分に対する執行異議の申立ては
その告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない。
4項  前項の執行異議の申立てを却下する裁判に対しては、
執行抗告をすることができる。
(転付命令等のための移行)    条文別へ
第167条の10  差押えに係る金銭債権について転付命令 又は 譲渡命令、売却命令、管理命令その他相当な方法による換価を命ずる命令(以下この条において「転付命令等」という。)のいずれかの命令を求めようとするときは、
差押債権者は、
執行裁判所に対し、
転付命令等のうちいずれの命令を求めるかを明らかにして、
債権執行の手続に事件を移行させることを求める旨の申立てをしなければならない。
2項  前項に規定する命令の種別を明らかにしてされた同項の申立てがあつたときは、
執行裁判所は、
その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に事件を移行させなければならない。
3項  前項の規定による決定が効力を生ずる前に、
既にされた執行処分について執行異議の申立て 又は 執行抗告があつたときは、

当該決定は、
当該執行異議の申立て 又は 執行抗告についての裁判が確定するまでは、
その効力を生じない。
4項  第2項の規定による決定に対しては、
不服を申し立てることができない。
5項  第1項の申立てを却下する決定に対しては、
執行抗告をすることができる。
6項  第2項の規定による決定が効力を生じたときは、
差押処分の申立て 又は 第1項の申立てがあつた時に
第2項に規定する地方裁判所にそれぞれ差押命令の申立て 又は 転付命令等の申立てがあつたものとみなし、
既にされた執行処分その他の行為は
債権執行の手続においてされた執行処分その他の行為とみなす。
(配当等のための移行等)    条文別へ
第167条の11  第167条の14において準用する第156条第1項 若しくは 第2項 又は 第157条第5項の規定により供託がされた場合において、
債権者が二人以上であつて供託金で各債権者の債権 及び 執行費用の全部を弁済することができないため配当を実施すべきときは、

執行裁判所は、
その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に事件を移行させなければならない。
2項  前項に規定する場合において、
差押えに係る金銭債権について更に差押命令 又は 差押処分が発せられたときは、

執行裁判所は、
同項に規定する地方裁判所における債権執行の手続のほか、
当該差押命令を発した執行裁判所 又は 当該差押処分をした裁判所書記官の所属する簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続にも
事件を移行させることができる。
3項  第1項に規定する供託がされた場合において、
債権者が一人であるとき、
又は 債権者が二人以上であつて供託金で各債権者の債権 及び 執行費用の全部を弁済することができるときは、

裁判所書記官は、
供託金の交付計算書を作成して、
債権者に弁済金を交付し、
剰余金を債務者に交付する。
4項  前項に規定する場合において、
差押えに係る金銭債権について更に差押命令が発せられたときは、

執行裁判所は、
同項の規定にかかわらず、
その所在地を管轄する地方裁判所 又は 当該差押命令を発した執行裁判所における債権執行の手続に
事件を移行させることができる。
5項  差押えに係る金銭債権について更に差押命令が発せられた場合において、
当該差押命令を発した執行裁判所が第161条第6項において準用する第109条の規定 又は 第166条第1項第2号の規定により配当等を実施するときは、

執行裁判所は、
当該差押命令を発した執行裁判所における債権執行の手続に
事件を移行させなければならない。
6項  第1項、第2項、第4項 又は 前項の規定による決定に対しては、
不服を申し立てることができない。
7項  第84条第3項 及び 第4項、
第88条、
第91条
第1項第6号 及び 第7号を除く。) 並びに 第92条第1項の規定は
第3項の規定により裁判所書記官が実施する弁済金の交付の手続について、
前条第3項の規定は
第1項、第2項、第4項 又は 第5項の規定による決定について、
同条第6項の規定は
第1項、第2項、第4項 又は 第5項の規定による決定が効力を生じた場合
について準用する。
(裁量移行)    条文別へ
第167条の12  執行裁判所は、
差し押さえるべき金銭債権の内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、
その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に
事件を移行させることができる。
2項  前項の規定による決定に対しては、
不服を申し立てることができない。
3項  第167条の10第3項の規定は
第1項の規定による決定について、
同条第6項の規定は
第1項の規定による決定が効力を生じた場合
について準用する。
この場合において、
同条第6項中「差押処分の申立て 又は 第1項の申立て」とあるのは
「差押処分の申立て」と、
「それぞれ差押命令の申立て 又は 転付命令等の申立て」とあるのは
「差押命令の申立て」と読み替えるものとする。
(総則規定の適用関係)    条文別へ
第167条の13   少額訴訟債権執行についての第1章 及び 第2章第1節の規定の適用については、
第13条第1項中「執行裁判所でする手続」とあるのは
「第167条の2第2項に規定する少額訴訟債権執行の手続」と、
第16条第1項中「執行裁判所」とあるのは
「裁判所書記官」と、
第17条中「執行裁判所の行う民事執行」とあるのは
「第167条の2第2項に規定する少額訴訟債権執行」と、
第40条第1項中「執行裁判所 又は 執行官」とあるのは
「裁判所書記官」と、
第42条第4項中「執行裁判所の裁判所書記官」とあるのは
「裁判所書記官」とする。
(債権執行の規定の準用)    条文別へ
第167条の14   第146条から第152条まで、
第155条から第158条まで、
第164条第5項 及び 第6項
並びに 第165条
第3号 及び 第4号を除く。)の規定は、
少額訴訟債権執行について準用する。
この場合において、
第146条、
第155条第3項
及び 第156条第3項中「執行裁判所」とあるのは

「裁判所書記官」と、
第146条第1項中「差押命令を発する」とあるのは
「差押処分をする」と、
第147条第1項、
第148条第2項、
第150条
及び 第155条第1項中「差押命令」とあるのは

「差押処分」と、
第147条第1項
及び 第148条第1項中「差押えに係る債権」とあるのは

「差押えに係る金銭債権」と、
第149条中「差押命令が発せられたとき」とあるのは
「差押処分がされたとき」と、
第164条第5項中「差押命令の取消決定」とあるのは
「差押処分の取消決定 若しくは 差押処分を取り消す旨の裁判所書記官の処分」と、
第165条見出しを含む。)中「配当等」とあるのは
「弁済金の交付」と読み替えるものとする。

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