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刑事訴訟法    全条文     全編章
第2編 第一審    全条文     編章別条文→     ← 前編     次編 →     ↑先頭へ
第3章 公判    全条文     編章別条文→     ← 前章     次章 →     ↑先頭へ
第1節 公判準備 及び 公判手続    全条文     編章別条文→     次節 →     ↑先頭へ
(起訴状謄本の送達・不送達と公訴提起の失効)    条文別へ
第271条  裁判所は、
公訴の提起があつたときは、
遅滞なく
起訴状の謄本を
被告人に送達しなければならない。
2項  公訴の提起があつた日から
2箇月以内に
起訴状の謄本が送達されないときは、

公訴の提起は、
さかのぼつてその効力を失う。
(弁護人選任権等の告知)    条文別へ
第272条  裁判所は、
公訴の提起があつたときは、
遅滞なく
被告人に対し、
弁護人を選任することができる旨
及び 貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨
を知らせなければならない。

但し 被告人に弁護人があるときは、
この限りでない。
2項  裁判所は、
この法律により弁護人を要する場合を除いて、
前項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を知らせるに当たつては、
弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨
及び その資力が基準額以上であるときは、
あらかじめ、
弁護士会
第36条の3第1項の規定により第31条の2第1項の申出をすべき弁護士会をいう。)
に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨
を教示しなければならない。
(公判期日の指定、召喚、通知)    条文別へ
第273条  裁判長は、
公判期日を定めなければならない。
2項  公判期日には、
被告人を召喚しなければならない。
3項  公判期日は、
これを検察官、弁護人 及び 補佐人に
通知しなければならない。
(召喚状送達の擬制)    条文別へ
第274条   裁判所の構内にいる被告人に対し
公判期日を通知したときは、

召喚状の送達があつた場合と同一の効力を有する。
(期日の猶予期間)    条文別へ
第275条   第1回の公判期日と
被告人に対する召喚状の送達との間には、

裁判所の規則で定める猶予期間を置かなければならない。
(公判期日の変更)    条文別へ
第276条  裁判所は、
検察官、被告人 若しくは 弁護人の請求により
又は 職権で、
公判期日を変更することができる。
2項  公判期日を変更するには、
裁判所の規則の定めるところにより、
あらかじめ、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴かなければならない。

但し 急速を要する場合は、
この限りでない。
3項  前項但書の場合には、
変更後の公判期日において、
まず、検察官 及び 被告人 又は 弁護人に対し、
異議を申し立てる機会を与えなければならない。
(不当な期日変更に対する救済)    条文別へ
第277条   裁判所がその権限を濫用して公判期日を変更したときは、
訴訟関係人は、
最高裁判所の規則 又は 訓令の定めるところにより、
司法行政監督上の措置を求めることができる。
(不出頭と診断書の提出)    条文別へ
第278条   公判期日に召喚を受けた者が
病気その他の事由によつて出頭することができないときは、

裁判所の規則の定めるところにより、
医師の診断書
その他の資料
を提出しなければならない。
(検察官・弁護人に対する出頭命令)    条文別へ
第278条の2  裁判所は、
必要と認めるときは、
検察官 又は 弁護人に対し、
公判準備 又は 公判期日に出頭し、

かつ、 これらの手続が行われている間
在席し 又は 在廷することを命ずることができる。
2項  裁判長は、
急速を要する場合には、
前項に規定する命令をし、
又は 合議体の構成員にこれをさせることができる。
3項  前2項の規定による命令を受けた検察官 又は 弁護人が
正当な理由がなくこれに従わないときは、

決定で、
10万円以下の過料に処し、
かつ、 その命令に従わないために生じた費用の賠償を命ずることができる。
4項  前項の決定に対しては、
即時抗告をすることができる。
5項  裁判所は、
第3項の決定をしたときは、
検察官については当該検察官を指揮監督する権限を有する者に、
弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会 又は 日本弁護士連合会
通知し、
適当な処置をとるべきことを請求しなければならない。
6項  前項の規定による請求を受けた者は、
そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。
(公務所等に対する照会)    条文別へ
第279条   裁判所は、
検察官、被告人 若しくは 弁護人の請求により
又は 職権で、
公務所 又は 公私の団体に照会して
必要な事項の報告を求めることができる。
(勾留に関する処分)    条文別へ
第280条  公訴の提起があつた後
第1回の公判期日までは、

勾留に関する処分は、
裁判官がこれを行う。
2項  第199条 若しくは 第210条の規定により逮捕され、
又は 現行犯人として逮捕された被疑者で
まだ勾留されていないものについて
第204条 又は 第205条の時間の制限内に公訴の提起があつた場合には、

裁判官は、
速やかに、
被告事件を告げ、
これに関する陳述を聴き、

勾留状を発しないときは、
直ちにその釈放を命じなければならない。
3項  前2項の裁判官は、
その処分に関し、
裁判所 又は 裁判長と同一の権限を有する。
(期日外の証人尋問)    条文別へ
第281条   証人については、
裁判所は、
第158条に掲げる事項を考慮した上、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き必要と認めるときに限り、

公判期日外においてこれを尋問することができる。
(被告人の退席)    条文別へ
第281条の2   裁判所は、
公判期日外における証人尋問に被告人が立ち会つた場合において、
証人が被告人の面前
第157条の3第1項に規定する措置を採る場合 及び 第157条の4第1項に規定する方法による場合を含む。)
においては圧迫を受け充分な供述をすることができないと認めるときは、
弁護人が立ち会つている場合に限り、
検察官 及び 弁護人の意見を聴き、

その証人の供述中被告人を退席させることができる。
この場合には、
供述終了後
被告人に証言の要旨を告知し、
その証人を尋問する機会を与えなければならない。
(開示された証拠の管理)    条文別へ
第281条の3   弁護人は、
検察官において
被告事件の審理の準備のために
閲覧 又は 謄写の機会を与えた証拠
に係る複製等
複製その他証拠の全部 又は 一部をそのまま記録した物 及び 書面をいう。以下同じ。)を適正に管理し、
その保管を
みだりに他人にゆだねてはならない。
(開示された証拠の目的外使用の禁止)    条文別へ
第281条の4  被告人 若しくは 弁護人第440条に規定する弁護人を含む。 又は これらであつた者は、
検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧 又は 謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、
次に掲げる手続 又は その準備に使用する目的以外の目的で、
人に交付し、 又は 提示し、 若しくは 電気通信回線を通じて提供してはならない。
 当該被告事件の審理その他の当該被告事件に係る裁判のための審理
 当該被告事件に関する次に掲げる手続
 第1編第16章の規定による費用の補償の手続
 第349条第1項の請求があつた場合の手続
 第350条の請求があつた場合の手続
 上訴権回復の請求の手続
 再審の請求の手続
 非常上告の手続
 第500条第1項の申立ての手続
 第502条の申立ての手続
 刑事補償法の規定による補償の請求の手続
2項  前項の規定に違反した場合の措置については、
被告人の防御権を踏まえ、
複製等の内容、行為の目的 及び 態様、関係人の名誉、その私生活 又は 業務の平穏を害されているかどうか、当該複製等に係る証拠が公判期日において取り調べられたものであるかどうか、その取調べの方法
その他の事情を考慮するものとする。
(目的外使用の罪)    条文別へ
第281条の5  被告人 又は 被告人であつた者が、
検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧 又は 謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、
前条第1項各号に掲げる手続 又は その準備に使用する目的以外の目的で、
人に交付し、 又は 提示し、 若しくは 電気通信回線を通じて提供したときは、

1年以下の懲役 又は 50万円以下の罰金に処する。
2項  弁護人第440条に規定する弁護人を含む。以下この項において同じ。) 又は 弁護人であつた者が、
検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧 又は 謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、
対価として財産上の利益その他の利益を得る目的で、

人に交付し、 又は 提示し、 若しくは 電気通信回線を通じて提供したときも、
前項と同様とする。
(連日的開廷の確保)    条文別へ
第281条の6  裁判所は、
審理に2日以上を要する事件については、
できる限り、
連日開廷し、
継続して審理を行わなければならない。
2項  訴訟関係人は、
期日を厳守し、
審理に支障を来さないようにしなければならない。
(公判廷)    条文別へ
第282条  公判期日における取調は、
公判廷でこれを行う。
2項  公判廷は、
裁判官 及び 裁判所書記が列席し、
且つ 検察官が出席して

これを開く。
(被告人たる法人と代理人の出頭)    条文別へ
第283条   被告人が
法人である場合には、
代理人を出頭させることができる。
(軽微事件における出頭義務の免除・代理人の出頭)    条文別へ
第284条   50万円刑法、暴力行為等処罰に関する法律 及び 経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については当分の間、5万円以下の罰金 又は 科料に当たる事件については
被告人は、
公判期日に出頭することを要しない
ただし、 被告人は、
代理人を出頭させることができる。
(出頭義務とその免除)    条文別へ
第285条  拘留にあたる事件の被告人は、
判決の宣告をする場合には、
公判期日に出頭しなければならない。
その他の場合には、
裁判所は、
被告人の出頭がその権利の保護のため重要でないと認めるときは、
被告人に対し
公判期日に出頭しないことを許すことができる。
2項  長期3年以下の懲役 若しくは 禁錮 又は 50万円刑法、暴力行為等処罰に関する法律 及び 経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については当分の間、5万円を超える罰金に当たる事件の被告人は、
第291条の手続をする場合 及び 判決の宣告をする場合には、
公判期日に出頭しなければならない。
その他の場合には、
前項後段の例による。
(被告人の出頭の権利義務)    条文別へ
第286条   前3条に規定する場合の外、
被告人が公判期日に出頭しないときは、
開廷することはできない。
(出頭拒否と公判手続)    条文別へ
第286条の2   被告人が出頭しなければ開廷することができない場合において、
勾留されている被告人が、
公判期日に召喚を受け、
正当な理由がなく出頭を拒否し、
刑事施設職員による引致を著しく困難にした
ときは、

裁判所は、
被告人が出頭しないでも、
その期日の公判手続を行うことができる。
(身体の不拘束)    条文別へ
第287条  公判廷においては、
被告人の身体を拘束してはならない。
但し 被告人が暴力を振い 又は 逃亡を企てた場合は、
この限りでない。
2項  被告人の身体を拘束しない場合にも、
これに看守者を附することができる。
(被告人の在廷義務、法廷の秩序維持)    条文別へ
第288条  被告人は、
裁判長の許可がなければ、
退廷することができない。
2項  裁判長は、
被告人を在廷させるため、
又は 法廷の秩序を維持するため

相当な処分をすることができる。
(必要的弁護)    条文別へ
第289条  死刑 又は 無期 若しくは 長期3年を超える懲役 若しくは 禁錮にあたる事件を審理する場合には、
弁護人がなければ
開廷することはできない。
2項  弁護人がなければ開廷することができない場合において、
弁護人が出頭しないとき 若しくは 在廷しなくなつたとき、
又は 弁護人がないときは、

裁判長は、
職権で
弁護人を付さなければならない。
3項  弁護人がなければ開廷することができない場合において、
弁護人が出頭しないおそれがあるときは、

裁判所は、
職権で
弁護人を付することができる。
(任意的国選弁護)    条文別へ
第290条   第37条各号の場合に
弁護人が出頭しないときは、

裁判所は、
職権で
弁護人を附することができる。
(公開の法廷での被害者特定事項の秘匿)    条文別へ
第290条の2  裁判所は、
次に掲げる事件を取り扱う場合において、
当該事件の被害者等
被害者 又は 被害者が死亡した場合 若しくは その心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族 若しくは 兄弟姉妹をいう。以下同じ。)
若しくは 当該被害者の法定代理人
又は これらの者から委託を受けた弁護士
から申出
があるときは、
被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
相当と認めるときは、

被害者特定事項氏名 及び 住所その他の当該事件の被害者を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)
公開の法廷で
明らかにしない旨の決定をすることができる。
 刑法第176条から第178条の2まで 若しくは 第181条の罪、同法第225条 若しくは 第226条の2第3項の罪わいせつ 又は 結婚の目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、同法第227条第1項第225条 又は 第226条の2第3項の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。) 若しくは 第3項わいせつの目的に係る部分に限る。) 若しくは 第241条の罪 又は これらの罪の未遂罪に係る事件
 児童福祉法第60条第1項の罪 若しくは 同法第34条第1項第9号に係る同法第60条第2項の罪 又は 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制 及び 処罰 並びに 児童の保護等に関する法律第4条から第8条までの罪に係る事件
 前2号に掲げる事件のほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより被害者等の名誉 又は 社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認められる事件
2項  前項の申出は、
あらかじめ、
検察官にしなければならない。

この場合において、
検察官は、
意見を付して、
これを裁判所に通知するものとする。
3項  裁判所は、
第1項に定めるもののほか、
犯行の態様、被害の状況その他の事情により、
被害者特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより
被害者 若しくは その親族の身体 若しくは 財産に害を加え 又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされるおそれがある
と認められる事件を取り扱う場合において、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
相当と認めるときは、

被害者特定事項を
公開の法廷で
明らかにしない旨の決定をすることができる。
4項  裁判所は、
第1項 又は 前項の決定をした事件について、
被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしないことが相当でないと認めるに至つたとき、
第312条の規定により罰条が撤回 若しくは 変更されたため第1項第1号 若しくは 第2号に掲げる事件に該当しなくなつたとき
又は 同項第3号に掲げる事件 若しくは 前項に規定する事件に該当しないと認めるに至つたときは、

決定で、
第1項 又は 前項の決定を取り消さなければならない。
(証人等特定事項の非公開)    条文別へ
第290条の3  裁判所は、
次に掲げる場合において、
証人、鑑定人、通訳人、翻訳人 又は 供述録取書等
供述書、供述を録取した書面で供述者の署名 若しくは 押印のあるもの 又は 映像 若しくは 音声を記録することができる記録媒体であつて供述を記録したものをいう。以下同じ。)
の供述者(以下この項において「証人等」という。)
から申出があるときは、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
相当と認めるときは、
証人等特定事項氏名 及び 住所その他の当該証人等を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)
を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。
 証人等特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより証人等 若しくは その親族の身体 若しくは 財産に害を加え 又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるとき。
 前号に掲げる場合のほか、証人等特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより証人等の名誉 又は 社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認めるとき。
2項  裁判所は、
前項の決定をした事件について、
証人等特定事項を公開の法廷で明らかにしないことが相当でないと認めるに至つたときは、

決定で、
同項の決定を取り消さなければならない。
(冒頭手続)    条文別へ
第291条  検察官は、
まず、起訴状を朗読しなければならない。
2項  第290条の2第1項 又は 第3項の決定があつたときは、
前項の起訴状の朗読は、
被害者特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。
この場合においては、
検察官は、
被告人に起訴状を示さなければならない。
3項  前条第1項の決定があつた場合における
第1項の起訴状の朗読についても、
前項と同様とする。
この場合において、
同項中「被害者特定事項」とあるのは、
「証人等特定事項」とする。
4項  裁判長は、
起訴状の朗読が終つた後、
被告人に対し、
終始沈黙し、
又は 個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨
その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項
を告げた上、
被告人 及び 弁護人に対し、
被告事件について陳述する機会を与えなければならない。
(簡易公判手続の決定)    条文別へ
第291条の2   被告人が、
前条第4項の手続に際し、
起訴状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、

裁判所は、
検察官、被告人 及び 弁護人の意見を聴き、
有罪である旨の陳述のあつた訴因に限り、

簡易公判手続によつて審判をする旨の決定をすることができる。
ただし、 死刑 又は 無期 若しくは 短期1年以上の懲役 若しくは 禁錮に当たる事件については、
この限りでない。
(決定の取消し)    条文別へ
第291条の3   裁判所は、
前条の決定があつた事件が簡易公判手続によることができないものであり、
又は これによることが相当でないものである
と認めるときは、

その決定を取り消さなければならない。
(証拠調べ)    条文別へ
第292条   証拠調べは、
第291条の手続が終つた後、
これを行う。
ただし、 次節第1款に定める公判前整理手続において争点 及び 証拠の整理のために行う手続については、
この限りでない。
(被害者等の意見の陳述)    条文別へ
第292条の2  裁判所は、
被害者等 又は 当該被害者の法定代理人から、
被害に関する心情その他の被告事件に関する意見の陳述の申出があるときは、

公判期日において、
その意見を陳述させるものとする。
2項  前項の規定による意見の陳述の申出は、
あらかじめ、
検察官にしなければならない。

この場合において、
検察官は、
意見を付して、
これを裁判所に通知するものとする。
3項  裁判長 又は 陪席の裁判官は、
被害者等 又は 当該被害者の法定代理人が意見を陳述した後、
その趣旨を明確にするため、
これらの者に質問することができる。
4項  訴訟関係人は、
被害者等 又は 当該被害者の法定代理人が意見を陳述した後、
その趣旨を明確にするため、
裁判長に告げて、

これらの者に質問することができる。
5項  裁判長は、
被害者等 若しくは 当該被害者の法定代理人の意見の陳述
又は 訴訟関係人の被害者等 若しくは 当該被害者の法定代理人に対する質問が

既にした陳述 若しくは 質問と重複するとき、
又は 事件に関係のない事項にわたるとき
その他相当でないときは、

これを制限することができる。
6項  第157条の2、
第157条の3
及び 第157条の4第1項の規定は、

第1項の規定による意見の陳述について準用する。
7項  裁判所は、
審理の状況その他の事情を考慮して、
相当でないと認めるときは、

意見の陳述に代え意見を記載した書面を提出させ、
又は 意見の陳述をさせないことができる。
8項  前項の規定により書面が提出された場合には、
裁判長は、
公判期日において、
その旨を明らかにしなければならない。

この場合において、
裁判長は、
相当と認めるときは、
その書面を朗読し、
又は その要旨を告げることができる。
9項  第1項の規定による陳述
又は 第7項の規定による書面は、

犯罪事実の認定のための証拠とすることができない。
(弁論)    条文別へ
第293条  証拠調が終つた後、
検察官は、
事実 及び 法律の適用について
意見を陳述しなければならない。
2項  被告人 及び 弁護人は、
意見を陳述することができる。
(訴訟指揮権)    条文別へ
第294条   公判期日における訴訟の指揮は、
裁判長が
これを行う。
(弁論等の制限)    条文別へ
第295条  裁判長は、
訴訟関係人のする尋問 又は 陳述が
既にした尋問 若しくは 陳述と重複するとき、
又は 事件に関係のない事項にわたるとき
その他相当でないときは、

訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、
これを制限することができる。
訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても
同様である。
2項  裁判長は、
証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人を尋問する場合において、
証人、鑑定人、通訳人 若しくは 翻訳人 若しくは これらの親族の身体 若しくは 財産に害を加え
又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる
行為がなされるおそれがあり、
これらの者の住居、勤務先その他その通常所在する場所が特定される事項が明らかにされたならば

証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人が
十分な供述をすることができないと認めるときは、

当該事項についての尋問を制限することができる。
ただし、 検察官のする尋問を制限することにより
犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがあるとき、
又は 被告人 若しくは 弁護人のする尋問を制限することにより
被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、

この限りでない。
3項  裁判長は、
第290条の2第1項 又は 第3項の決定があつた場合において、
訴訟関係人のする尋問 又は 陳述が
被害者特定事項にわたるときは、

これを制限することにより、
犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがある場合
又は 被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、

当該尋問 又は 陳述を制限することができる。
訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても
同様とする。
4項  第290条の3第1項の決定があつた場合における
訴訟関係人のする尋問 若しくは 陳述 又は 訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても、
前項と同様とする。
この場合において、
同項中「被害者特定事項」とあるのは、
「証人等特定事項」とする。
5項  裁判所は、
前各項の規定による命令を受けた検察官 又は 弁護士である弁護人がこれに従わなかつた場合には、
検察官については当該検察官を指揮監督する権限を有する者に、
弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会 又は 日本弁護士連合会に
通知し、
適当な処置をとるべきことを請求する
ことができる。
6項  前項の規定による請求を受けた者は、
そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。
(検察官の冒頭陳述)    条文別へ
第296条   証拠調のはじめに、
検察官は、
証拠により証明すべき事実を明らかにしなければならない。
但し 証拠とすることができず、 又は 証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、
裁判所に事件について偏見 又は 予断を生ぜしめる虞のある事項を述べることはできない。
(証拠調べの範囲・順序・方法の予定とその変更)    条文別へ
第297条  裁判所は、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
証拠調の範囲、順序 及び 方法を定めることができる。
2項  前項の手続は、
合議体の構成員に
これをさせることができる。
3項  裁判所は、
適当と認めるときは、
何時でも、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
第1項の規定により定めた証拠調の範囲、順序 又は 方法を
変更することができる。
(証拠調べの請求、職権証拠調べ)    条文別へ
第298条  検察官、被告人 又は 弁護人は、
証拠調を請求することができる。
2項  裁判所は、
必要と認めるときは、
職権で
証拠調をすることができる。
(証拠調べの請求等と当事者の権利)    条文別へ
第299条  検察官、被告人 又は 弁護人が
証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人の尋問を請求するについては、

あらかじめ、
相手方に対し、
その氏名 及び 住居を知る機会を与えなければならない。

証拠書類 又は 証拠物の取調を請求するについては、
あらかじめ、
相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。

但し 相手方に異議のないときは、
この限りでない。
2項  裁判所が
職権で証拠調の決定をするについては、

検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴かなければならない。
(証人等の身体・財産への加害行為等の防止のための配慮)    条文別へ
第299条の2   検察官 又は 弁護人は、
前条第1項の規定により
証人、鑑定人、通訳人 若しくは 翻訳人の氏名 及び 住居を知る機会を与え
又は 証拠書類 若しくは 証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、
証人、鑑定人、通訳人 若しくは 翻訳人 若しくは 証拠書類 若しくは 証拠物にその氏名が記載され 若しくは 記録されている者 若しくは これらの親族の身体 若しくは 財産に害を加え
又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、

相手方に対し、
その旨を告げ、
これらの者の住居、勤務先その他その通常所在する場所が特定される事項が、
犯罪の証明 若しくは 犯罪の捜査 又は 被告人の防御に関し必要がある場合を除き、
関係者被告人を含む。)に知られないようにすること
その他これらの者の安全が脅かされることがないように配慮すること
を求めることができる。
(証拠開示の際の被害者特定事項の秘匿要請)    条文別へ
第299条の3   検察官は、
第299条第1項の規定により
証人の氏名 及び 住居を知る機会を与え
又は 証拠書類 若しくは 証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、
被害者特定事項が明らかにされることにより、
被害者等の名誉 若しくは 社会生活の平穏が著しく害される
おそれがあると認めるとき、
又は 被害者 若しくは その親族の身体 若しくは 財産に害を加え
若しくは これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされる
おそれがあると認めるときは、

弁護人に対し、
その旨を告げ、
被害者特定事項が、
被告人の防御に関し必要がある場合を除き、

被告人その他の者に知られないようにすることを求めることができる。
ただし、 被告人に知られないようにすることを求めることについては、
被害者特定事項のうち
起訴状に記載された事項以外のものに限る。
(証拠開示の際の被害者特定事項の秘匿条件)    条文別へ
第299条の4  検察官は、
第299条第1項の規定により
証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人の氏名 及び 住居を知る機会を与えるべき場合において、
その者 若しくは その親族の身体 若しくは 財産に害を加え
又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、

弁護人に対し、
当該氏名 及び 住居を知る機会を与えた上で、
当該氏名 又は 住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、
又は 被告人に知らせる時期 若しくは 方法を指定することができる。

ただし、 その証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるとき
その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、

この限りでない。
2項  検察官は、
前項本文の場合において、
同項本文の規定による措置によつては同項本文に規定する行為を防止できないおそれがあると認めるとき
被告人に弁護人がないときを含む。)は、
その証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなる場合
その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、

被告人 及び 弁護人に対し、
その証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人の氏名 又は 住居を知る機会を与えないことができる。

この場合において、
被告人 又は 弁護人に対し、
氏名にあつてはこれに代わる呼称を、
住居にあつてはこれに代わる連絡先を知る機会を与えなければならない。
3項  検察官は、
第299条第1項の規定により証拠書類 又は 証拠物を閲覧する機会を与えるべき場合において、
証拠書類 若しくは 証拠物に氏名 若しくは 住居が記載され 若しくは 記録されている者であつて
検察官が証人、鑑定人、通訳人 若しくは 翻訳人として尋問を請求するもの
若しくは 供述録取書等の供述者
(以下この項 及び 次項において「検察官請求証人等」という。)
若しくは 検察官請求証人等の親族
の身体 若しくは 財産に害を加え 又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、

弁護人に対し、
証拠書類 又は 証拠物を閲覧する機会を与えた上で、
その検察官請求証人等の氏名 又は 住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、
又は 被告人に知らせる時期 若しくは 方法を指定することができる。

ただし、 その検察官請求証人等の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるとき
その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、

この限りでない。
4項  検察官は、
前項本文の場合において、
同項本文の規定による措置によつては同項本文に規定する行為を防止できないおそれがあると認めるとき
被告人に弁護人がないときを含む。)は、
その検察官請求証人等の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなる場合
その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、

被告人 及び 弁護人に対し、
証拠書類 又は 証拠物のうちその検察官請求証人等の氏名 又は 住居が記載され 又は 記録されている部分について
閲覧する機会を与えないことができる。

この場合において、
被告人 又は 弁護人に対し、
氏名にあつてはこれに代わる呼称を、
住居にあつてはこれに代わる連絡先を知る機会を与えなければならない。
5項  検察官は、
前各項の規定による措置をとつたときは、
速やかに、
裁判所に
その旨を通知しなければならない。
(証拠開示の際の被害者特定事項の秘匿措置の取り消し)    条文別へ
第299条の5  裁判所は、
検察官が前条第1項から第4項までの規定による措置をとつた場合において、
次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、

被告人 又は 弁護人の請求により、
決定で、
当該措置の全部 又は 一部を取り消さなければならない。
 当該措置に係る者 若しくは その親族の身体 若しくは 財産に害を加え 又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされるおそれがないとき。
 当該措置により、当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるときその他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるとき。
 検察官のとつた措置が前条第2項 又は 第4項の規定によるものである場合において、同条第1項本文 又は 第3項本文の規定による措置によつて第1号に規定する行為を防止できるとき。
2項  裁判所は、
前項第2号 又は 第3号に該当すると認めて検察官がとつた措置の全部 又は 一部を取り消す場合において、
同項第1号に規定する行為がなされるおそれがあると認めるときは、

弁護人に対し、
当該措置に係る者の氏名 又は 住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、
又は 被告人に知らせる時期 若しくは 方法を指定することができる。

ただし、 当該条件を付し、 又は 当該時期 若しくは 方法の指定をすることにより、
当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるとき
その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、

この限りでない。
3項  裁判所は、
第1項の請求について決定をするときは、
検察官の意見を聴かなければならない。
4項  第1項の請求についてした決定第2項の規定により条件を付し、 又は 時期 若しくは 方法を指定する裁判を含む。)
に対しては、
即時抗告をすることができる。
(裁判所による証拠開示の際の被害者特定事項の秘匿)    条文別へ
第299条の6  裁判所は、
検察官がとつた第299条の4第1項 若しくは 第3項の規定による措置に係る者
若しくは 裁判所がとつた前条第2項の規定による措置に係る者
若しくは これらの親族
の身体 若しくは 財産に害を加え
又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされる
おそれがあると認める場合において、
検察官 及び 弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、

弁護人が第40条第1項の規定により訴訟に関する書類 又は 証拠物を閲覧し 又は 謄写するに当たり、
これらに記載され 又は 記録されている当該措置に係る者の氏名 又は 住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、
又は 被告人に知らせる時期 若しくは 方法を指定することができる。

ただし、 当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるとき
その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、

この限りでない。
2項  裁判所は、
検察官がとつた第299条の4第2項 若しくは 第4項の規定による措置に係る者
若しくは その親族
の身体 若しくは 財産に害を加え
又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされる
おそれがあると認める場合において、
検察官 及び 弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、

弁護人が第40条第1項の規定により訴訟に関する書類 又は 証拠物を閲覧し 又は 謄写するについて、
これらのうち当該措置に係る者の氏名 若しくは 住居が記載され 若しくは 記録されている部分の閲覧 若しくは 謄写を禁じ、
又は 当該氏名 若しくは 住居を被告人に知らせてはならない旨の条件を付し、
若しくは 被告人に知らせる時期 若しくは 方法を指定することができる。

ただし、 当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるとき
その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、

この限りでない。
3項  裁判所は、
検察官がとつた第299条の4第1項から第4項までの規定による措置に係る者
若しくは 裁判所がとつた前条第2項の規定による措置に係る者
若しくは これらの親族
の身体 若しくは 財産に害を加え
又は これらの者を畏怖させ 若しくは 困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、
検察官 及び 被告人の意見を聴き、相当と認めるときは、

被告人が第49条の規定により公判調書を閲覧し 又は その朗読を求めるについて、
このうち当該措置に係る者の氏名 若しくは 住居が記載され 若しくは 記録されている部分の閲覧を禁じ、
又は 当該部分の朗読の求めを拒むことができる。

ただし、 当該措置に係る者の供述の証明力の判断に資するような被告人その他の関係者との利害関係の有無を確かめることができなくなるとき
その他の被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、

この限りでない。
(弁護人による被害者特定事項の秘匿条件違反)    条文別へ
第299条の7  検察官は、
第299条の4第1項 若しくは 第3項の規定により付した条件に弁護人が違反したとき、
又は これらの規定による時期 若しくは 方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、

弁護士である弁護人については
当該弁護士の所属する弁護士会 又は 日本弁護士連合会に通知し

適当な処置をとるべきことを請求することができる。
2項  裁判所は、
第299条の5第2項 若しくは 前条第1項 若しくは 第2項の規定により付した条件に弁護人が違反したとき、
又は これらの規定による時期 若しくは 方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、

弁護士である弁護人については
当該弁護士の所属する弁護士会 又は 日本弁護士連合会に通知し

適当な処置をとるべきことを請求することができる。
3項  前2項の規定による請求を受けた者は、
そのとつた処置を
その請求をした検察官 又は 裁判所に通知しなければならない。
(証拠調べの請求の義務)    条文別へ
第300条   第321条第1項第2号後段の規定により証拠とすることができる書面については、
検察官は、
必ずその取調を請求しなければならない。
(自白と証拠調べの請求の制限)    条文別へ
第301条   第322条 及び 第324条第1項の規定により証拠とすることができる被告人の供述が
自白である場合には、
犯罪事実に関する他の証拠が取り調べられた後でなければ、
その取調を請求することはできない。
(捜査記録の一部についての証拠調べの請求)    条文別へ
第302条   第321条 乃至 第323条
又は 第326条の規定により
証拠とすることができる書面が

捜査記録の一部であるときは、

検察官は、
できる限り他の部分と分離して
その取調を請求しなければならない。
(公判準備の結果と証拠調べの必要)    条文別へ
第303条   公判準備においてした証人その他の者の尋問、検証、押収 及び 捜索の結果を記載した書面
並びに 押収した物については、

裁判所は、
公判期日において
証拠書類 又は 証拠物として
これを取り調べなければならない。
(人的証拠に対する証拠調べの方式)    条文別へ
第304条  証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人は、
裁判長 又は 陪席の裁判官が、
まず、これを尋問する。
2項  検察官、被告人 又は 弁護人は、
前項の尋問が終つた後、
裁判長に告げて、

その証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人を
尋問することができる。

この場合において、
その証人、鑑定人、通訳人 又は 翻訳人の取調が、
検察官、被告人 又は 弁護人の請求にかかるものであるときは、

請求をした者が、
先に尋問する。
3項  裁判所は、
適当と認めるときは、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
前2項の尋問の順序を変更することができる。
(被告人の退廷)    条文別へ
第304条の2   裁判所は、
証人を尋問する場合において、
証人が被告人の面前
第157条の3第1項に規定する措置を採る場合 及び 第157条の4第1項に規定する方法による場合を含む。
においては圧迫を受け充分な供述をすることができないと認めるときは、
弁護人が出頭している場合に限り、
検察官 及び 弁護人の意見を聴き、

その証人の供述中被告人を退廷させることができる。
この場合には、
供述終了後
被告人を入廷させ、
これに証言の要旨を告知し、
その証人を尋問する機会を与えなければならない。
(証拠書類等に対する証拠調べの方式)    条文別へ
第305条  検察官、被告人 又は 弁護人の請求により、
証拠書類の取調べをするについては、

裁判長は、
その取調べを請求した者にこれを朗読させなければならない。
ただし、 裁判長は、
自らこれを朗読し、
又は 陪席の裁判官 若しくは 裁判所書記官にこれを朗読させることができる。
2項  裁判所が職権で証拠書類の取調べをするについては、
裁判長は、
自らその書類を朗読し、
又は 陪席の裁判官 若しくは 裁判所書記官にこれを朗読させなければならない。
3項  第290条の2第1項 又は 第3項の決定があつたときは、
前2項の規定による証拠書類の朗読は、
被害者特定事項を明らかにしない方法で
これを行うものとする。
4項  第290条の3第1項の決定があつた場合における
第1項 又は 第2項の規定による証拠書類の朗読についても、
前項と同様とする。
この場合において、
同項中「被害者特定事項」とあるのは、
「証人等特定事項」とする。
5項  第157条の4第3項の規定により記録媒体がその一部とされた調書の取調べについては、
第1項 又は 第2項の規定による朗読に代えて、
当該記録媒体を再生するものとする。

ただし、 裁判長は、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、
当該記録媒体の再生に代えて、
当該調書の取調べを請求した者、陪席の裁判官 若しくは 裁判所書記官に
当該調書に記録された供述の内容を告げさせ、 又は 自らこれを告げることができる。
6項  裁判所は、
前項の規定により第157条の4第3項に規定する記録媒体を再生する場合において、
必要と認めるときは、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、

第157条の3に規定する措置を採ることができる。
(証拠物に対する証拠調べの方式)    条文別へ
第306条  検察官、被告人 又は 弁護人の請求により、
証拠物の取調をするについては、

裁判長は、
請求をした者をして
これを示させなければならない。

但し 裁判長は、
自らこれを示し、
又は 陪席の裁判官 若しくは 裁判所書記にこれを示させることができる。
2項  裁判所が職権で証拠物の取調をするについては、
裁判長は、
自らこれを訴訟関係人に示し、
又は 陪席の裁判官 若しくは 裁判所書記にこれを示させなければならない。
(同前−証拠物に対する証拠調べの方式A)    条文別へ
第307条   証拠物中書面の意義が証拠となるものの取調をするについては、
前条の規定による外、
第305条の規定による。
(簡易公判手続)    条文別へ
第307条の2   第291条の2の決定があつた事件については、
第296条、
第297条、
第300条 乃至 第302条
及び 第304条 乃至 前条の規定は、

これを適用せず

証拠調は、
公判期日において、
適当と認める方法でこれを行うことができる。
(証明力を争う権利)    条文別へ
第308条   裁判所は、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人に対し、
証拠の証明力を争うために必要とする適当な機会を与えなければならない。
(証拠調べに関する異議申立て、裁判長の処分に対する異議申立て)    条文別へ
第309条  検察官、被告人 又は 弁護人は、
証拠調に関し異議を申し立てることができる。
2項  検察官、被告人 又は 弁護人は、
前項に規定する場合の外、
裁判長の処分に対して異議を申し立てることができる。
3項  裁判所は、
前2項の申立について
決定をしなければならない。
(証拠調べを終わった証拠の提出)    条文別へ
第310条   証拠調を終つた証拠書類 又は 証拠物は、
遅滞なく
これを裁判所に提出しなければならない。

但し 裁判所の許可を得たときは、
原本に代え、
その謄本を提出することができる。
(被告人の黙秘権・供述拒否権、任意の供述)    条文別へ
第311条  被告人は、
終始沈黙し、
又は 個々の質問に対し、供述を拒むことができる。
2項  被告人が任意に供述をする場合には、
裁判長は、
何時でも
必要とする事項につき
被告人の供述を求めることができる。
3項  陪席の裁判官、検察官、弁護人、共同被告人 又は その弁護人は、
裁判長に告げて、
前項の供述を求めることができる。
(起訴状の変更)    条文別へ
第312条  裁判所は、
検察官の請求があるときは、
公訴事実の同一性を害しない限度において、
起訴状に記載された訴因 又は 罰条の追加、撤回 又は 変更を許さなければならない。
2項  裁判所は、
審理の経過に鑑み適当と認めるときは、
訴因 又は 罰条を
追加 又は 変更すべきことを命ずることができる。
3項  裁判所は、
訴因 又は 罰条の
追加、撤回 又は 変更があつたときは、

速やかに
追加、撤回 又は 変更された部分を
被告人に通知しなければならない。
4項  裁判所は、
訴因 又は 罰条の追加 又は 変更により
被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞があると認めるときは、

被告人 又は 弁護人の請求により、
決定で、
被告人に充分な防禦の準備をさせるため必要な期間
公判手続を停止しなければならない。
(弁論の分離・併合・再開)    条文別へ
第313条  裁判所は、
適当と認めるときは、
検察官、被告人 若しくは 弁護人の請求により
又は 職権で、
決定を以て、
弁論を分離し 若しくは 併合し、 又は 終結した弁論を
再開することができる。
2項  裁判所は、
被告人の権利を保護するため必要があるときは、
裁判所の規則の定めるところにより、
決定を以て
弁論を分離しなければならない。
(併合事件における弁護人選任の効力)    条文別へ
第313条の2  この法律の規定に基づいて
裁判所 若しくは 裁判長 又は 裁判官が付した弁護人の選任は、

弁論が併合された事件についても
その効力を有する。

ただし、 裁判所がこれと異なる決定をしたときは、
この限りでない。
2項  前項ただし書の決定をするには、
あらかじめ、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴かなければならない。
(公判手続の停止)    条文別へ
第314条  被告人が心神喪失の状態に在るときは、
検察官 及び 弁護人の意見を聴き、
決定で、
その状態の続いている間
公判手続を停止しなければならない。

但し 無罪、免訴、刑の免除 又は 公訴棄却の裁判をすべきことが明らかな場合には、
被告人の出頭を待たないで、
直ちにその裁判をすることができる。
2項  被告人が病気のため出頭することができないときは、
検察官 及び 弁護人の意見を聴き、
決定で、
出頭することができるまで
公判手続を停止しなければならない。

但し 第284条 及び 第285条の規定により代理人を出頭させた場合は、
この限りでない。
3項  犯罪事実の存否の証明に欠くことのできない証人が
病気のため公判期日に出頭することができないときは、

公判期日外においてその取調をするのを適当と認める場合の外、
決定で、
出頭することができるまで
公判手続を停止しなければならない。
4項  前3項の規定により公判手続を停止するには、
医師の意見を聴かなければならない。
(公判手続の更新)    条文別へ
第315条   開廷後裁判官がかわつたときは、
公判手続を更新しなければならない。
但し 判決の宣告をする場合は、
この限りでない。
(簡易公判手続の決定の取消しと手続の更新)    条文別へ
第315条の2   第291条の2の決定が取り消されたときは、
公判手続を更新しなければならない。
但し 検察官 及び 被告人 又は 弁護人に異議がないときは、
この限りでない。
(合議制事件と一人の裁判官の手続の効力)    条文別へ
第316条   地方裁判所において
一人の裁判官のした訴訟手続は、

被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、
その効力を失わない。
第2編 第一審    全条文     編章別条文→     ← 前編     次編 →     ↑先頭へ
第3章 公判    全条文     編章別条文→     ← 前章     次章 →     ↑先頭へ
第3節 被害者参加    全条文     編章別条文→     ← 前節     次節 →     ↑先頭へ
(被告事件の手続への被害者参加)    条文別へ
第316条の33  裁判所は、
次に掲げる罪に係る被告事件
被害者等 若しくは 当該被害者の法定代理人 又は これらの者から委託を受けた弁護士から、
被告事件の手続への参加の申出があるときは、
被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮し、
相当と認めるときは、

決定で、
当該被害者等 又は 当該被害者の法定代理人の
被告事件の手続への参加を許すものとする。
 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
 刑法第176条から第178条まで、第211条、第220条 又は 第224条から第227条までの罪
 前号に掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪第1号に掲げる罪を除く。)
 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第4条、第5条 又は 第6条第3項 若しくは 第4項の罪
 第1号から第3号までに掲げる罪の未遂罪
2項  前項の申出は、
あらかじめ、
検察官にしなければならない。

この場合において、
検察官は、
意見を付して、
これを裁判所に通知するものとする。
3項  裁判所は、
第1項の規定により被告事件の手続への参加を許された者(以下「被害者参加人」という。)
当該被告事件の被害者等 若しくは 当該被害者の法定代理人に該当せず
若しくは 該当しなくなつた
ことが明らかになつたとき、
又は 第312条の規定により罰条が撤回 若しくは 変更されたため
当該被告事件が同項各号に掲げる罪に係るものに該当しなくなつた
ときは、

決定で、
同項の決定を取り消さなければならない。

犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮して
被告事件の手続への参加を認めることが相当でないと認めるに至つたときも、

同様とする。
(被害者参加人等の公判期日への出席)    条文別へ
第316条の34  被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士は、
公判期日に
出席することができる。
2項  公判期日は、
これを被害者参加人に通知しなければならない。
3項  裁判所は、
被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士が多数である場合において、
必要があると認めるときは、

これらの者の全員 又は その一部に対し、
その中から、
公判期日に出席する代表者を選定するよう求めることができる。
4項  裁判所は、
審理の状況、被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士の数その他の事情を考慮して、
相当でないと認めるときは、

公判期日の全部 又は 一部への出席を許さないことができる。
5項  前各項の規定は、
公判準備において証人の尋問 又は 検証が行われる場合
について準用する。
(被害者参加人等の意見に対する検察官の説明義務)    条文別へ
第316条の35   被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士は、
検察官に対し、
当該被告事件についてのこの法律の規定による検察官の権限の行使に関し、
意見を述べることができる。

この場合において、
検察官は、
当該権限を行使し 又は 行使しないこととしたときは、
必要に応じ、
当該意見を述べた者に対し、
その理由を説明しなければならない。
(被害者参加人等による証人尋問)    条文別へ
第316条の36  裁判所は、
証人を尋問する場合において、
被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士から、
その者がその証人を尋問することの申出があるときは、
被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
審理の状況、申出に係る尋問事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、
相当と認めるときは、

情状に関する事項犯罪事実に関するものを除く。についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について
申出をした者が
その証人を尋問することを許すものとする。
2項  前項の申出は、
検察官の尋問が終わつた後検察官の尋問がないときは被告人 又は 弁護人の尋問が終わつた後
直ちに、
尋問事項を明らかにして、
検察官にしなければならない。

この場合において、
検察官は、
当該事項について自ら尋問する場合を除き、
意見を付して、
これを裁判所に通知するものとする。
3項  裁判長は、
第295条第1項から第4項までに規定する場合のほか、
被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士のする尋問が第1項に規定する事項以外の事項にわたるときは、

これを制限することができる。
(被害者参加人等による被告人への質問)    条文別へ
第316条の37  裁判所は、
被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士から、
その者が被告人に対して第311条第2項の供述を求めるための質問を発することの申出があるときは、

被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士がこの法律の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合であつて、
審理の状況、申出に係る質問をする事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、
相当と認めるときは、

申出をした者が
被告人に対してその質問を発することを許すものとする。
2項  前項の申出は、
あらかじめ、
質問をする事項を明らかにして、
検察官にしなければならない。

この場合において、
検察官は、
当該事項について自ら供述を求める場合を除き、
意見を付して、
これを裁判所に通知するものとする。
3項  裁判長は、
第295条第1項、第3項 及び 第4項に規定する場合のほか、
被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士のする質問が
第1項に規定する意見の陳述をするために必要がある事項に関係のない事項にわたるときは、

これを制限することができる。
(被害者参加人等による弁論としての意見陳述)    条文別へ
第316条の38  裁判所は、
被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士から、
事実 又は 法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、
審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮し、
相当と認めるときは、

公判期日において、
第293条第1項の規定による検察官の意見の陳述の後に、
訴因として特定された事実の範囲内で、

申出をした者が
その意見を陳述することを許すものとする。
2項  前項の申出は、
あらかじめ、
陳述する意見の要旨を明らかにして、
検察官にしなければならない。

この場合において、
検察官は、
意見を付して、
これを裁判所に通知するものとする。
3項  裁判長は、
第295条第1項、第3項 及び 第4項に規定する場合のほか、
被害者参加人 又は その委託を受けた弁護士の意見の陳述が
第1項に規定する範囲を超えるときは、

これを制限することができる。
4項  第1項の規定による陳述は、
証拠とはならないものとする。
(被害者参加人への付添い、遮へいの措置)    条文別へ
第316条の39  裁判所は、
被害者参加人が
第316条の34第1項
(同条第5項において準用する場合を含む。第4項において同じ。)の規定により
公判期日 又は 公判準備に出席する
場合において、
被害者参加人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮し、
被害者参加人が著しく不安 又は 緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、

検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
その不安 又は 緊張を緩和するのに適当であり、

かつ、 裁判官 若しくは 訴訟関係人の尋問 若しくは 被告人に対する供述を求める行為 若しくは 訴訟関係人がする陳述を妨げ、 又は その陳述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、
被害者参加人に付き添わせることができる。
2項  前項の規定により被害者参加人に付き添うこととされた者は、
裁判官 若しくは 訴訟関係人の尋問 若しくは 被告人に対する供述を求める行為 若しくは 訴訟関係人がする陳述を妨げ、
又は その陳述の内容に不当な影響を与える
ような言動をしてはならない。
3項  裁判所は、
第1項の規定により被害者参加人に付き添うこととされた者が、
裁判官 若しくは 訴訟関係人の尋問 若しくは 被告人に対する供述を求める行為 若しくは 訴訟関係人がする陳述を妨げ、
又は その陳述の内容に不当な影響を与える

おそれがあると認めるに至つたとき
その他その者を被害者参加人に付き添わせることが相当でないと認めるに至つたときは、

決定で、
同項の決定を取り消すことができる。
4項  裁判所は、
被害者参加人が
第316条の34第1項の規定により公判期日 又は 公判準備に出席する場合において、
犯罪の性質、被害者参加人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、
被害者参加人が
被告人の面前において在席、尋問、質問 又は 陳述をするときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であつて、
相当と認めるときは、

検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
弁護人が出頭している場合に限り、

被告人とその被害者参加人との間で、
被告人から被害者参加人の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。
5項  裁判所は、
被害者参加人が第316条の34第1項の規定により公判期日に出席する場合において、
犯罪の性質、被害者参加人の年齢、心身の状態、名誉に対する影響その他の事情を考慮し、
相当と認めるときは、

検察官 及び 被告人 又は 弁護人の意見を聴き、
傍聴人とその被害者参加人との間で、
相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。
第2編 第一審    全条文     編章別条文→     ← 前編     次編 →     ↑先頭へ
第3章 公判    全条文     編章別条文→     ← 前章     次章 →     ↑先頭へ
第4節 証拠    全条文     編章別条文→     ← 前節     次節 →     ↑先頭へ
(証拠裁判主義)    条文別へ
第317条   事実の認定は、
証拠による。
(自由心証主義)    条文別へ
第318条   証拠の証明力は、
裁判官の自由な判断に委ねる。
(自白の証拠能力・証明力)    条文別へ
第319条  強制、拷問 又は 脅迫による自白、
不当に長く抑留 又は 拘禁された後の自白
その他任意にされたものでない疑のある自白は、

これを証拠とすることができない。
2項  被告人は、
公判廷における自白であると否とを問わず、
その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、

有罪とされない。
3項  前2項の自白には、
起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。
(伝聞証拠と証拠能力の制限)    条文別へ
第320条  第321条 乃至 第328条に規定する場合を除いては、
公判期日における供述に代えて
書面を証拠とし、
又は 公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
2項  第291条の2の決定があつた事件の証拠については、
前項の規定は、
これを適用しない。
但し 検察官、被告人 又は 弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、
この限りでない。
(被告人以外の者の供述書・供述録取書の証拠能力)    条文別へ
第321条  被告人以外の者が作成した供述書
又は その者の供述を録取した書面で
供述者の署名 若しくは 押印のあるものは、

次に掲げる場合に限り、
これを証拠とすることができる。
 裁判官の面前第157条の4第1項に規定する方法による場合を含む。における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神 若しくは 身体の故障、所在不明 若しくは 国外にいるため公判準備 若しくは 公判期日において供述することができないとき、 又は 供述者が公判準備 若しくは 公判期日において前の供述と異つた供述をしたとき。
 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神 若しくは 身体の故障、所在不明 若しくは 国外にいるため公判準備 若しくは 公判期日において供述することができないとき、 又は 公判準備 若しくは 公判期日において前の供述と相反するか 若しくは 実質的に異つた供述をしたとき。但し 公判準備 又は 公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
 前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神 若しくは 身体の故障、所在不明 又は 国外にいるため公判準備 又は 公判期日において供述することができず 且つ その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。但し その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
2項  被告人以外の者の公判準備 若しくは 公判期日における供述を録取した書面
又は 裁判所 若しくは 裁判官の検証の結果を記載した書面は、

前項の規定にかかわらず、
これを証拠とすることができる。
3項  検察官、検察事務官 又は 司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、
その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、
その真正に作成されたものであることを供述したときは、

第1項の規定にかかわらず、
これを証拠とすることができる。
4項  鑑定の経過 及び 結果を記載した書面で
鑑定人の作成したものについても、

前項と同様である。
(ビデオリンク方式による証人尋問調書の証拠能力)    条文別へ
第321条の2  被告事件の公判準備 若しくは 公判期日における手続以外の刑事手続 又は 他の事件の刑事手続において
第157条の4第1項に規定する方法によりされた証人の尋問 及び 供述 並びに その状況を記録した記録媒体がその一部とされた調書は、

前条第1項の規定にかかわらず、
証拠とすることができる。
この場合において、
裁判所は、
その調書を取り調べた後、
訴訟関係人に対し、
その供述者を証人として尋問する機会を与えなければならない。
2項  前項の規定により調書を取り調べる場合においては、
第305条第5項ただし書の規定は、
適用しない。
3項  第1項の規定により取り調べられた調書に記録された証人の供述は、
第295条第1項前段 並びに 前条第1項第1号 及び 第2号の適用については、
被告事件の公判期日においてされたものとみなす。
(被告人の供述書・供述録取書の証拠能力)    条文別へ
第322条  被告人が作成した供述書 又は 被告人の供述を録取した書面で
被告人の署名 若しくは 押印のあるものは、

その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、
又は 特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、

これを証拠とすることができる。
但し 被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、
その承認が自白でない場合においても、
第319条の規定に準じ、
任意にされたものでない疑があると認めるときは、

これを証拠とすることができない。
2項  被告人の公判準備 又は 公判期日における供述を録取した書面は、
その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、
これを証拠とすることができる。
(その他の書面の証拠能力)    条文別へ
第323条   前3条に掲げる書面以外の書面は、
次に掲げるものに限り、
これを証拠とすることができる。
 戸籍謄本、公正証書謄本その他公務員外国の公務員を含む。がその職務上証明することができる事実についてその公務員の作成した書面
 商業帳簿、航海日誌その他業務の通常の過程において作成された書面
 前2号に掲げるものの外特に信用すべき情況の下に作成された書面
(伝聞の供述)    条文別へ
第324条  被告人以外の者の公判準備 又は 公判期日における供述で
被告人の供述をその内容とするものについては、

第322条の規定を準用する。
2項  被告人以外の者の公判準備 又は 公判期日における供述で
被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、

第321条第1項第3号の規定を準用する。
(供述の任意性の調査)    条文別へ
第325条   裁判所は、
第321条から前条までの規定により証拠とすることができる書面 又は 供述であつても、
あらかじめ、
その書面に記載された供述 又は 公判準備 若しくは 公判期日における供述の内容となつた他の者の供述が任意にされたものかどうかを調査した後でなければ、

これを証拠とすることができない。
(当事者の同意と書面供述の証拠能力)    条文別へ
第326条  検察官 及び 被告人が証拠とすることに同意した書面 又は 供述は、
その書面が作成され 又は 供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、
第321条 乃至 前条の規定にかかわらず、
これを証拠とすることができる。
2項  被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、
被告人が出頭しないときは、

前項の同意があつたものとみなす。
但し 代理人 又は 弁護人が出頭したときは、
この限りでない。
(合意による書面の証拠能力)    条文別へ
第327条   裁判所は、
検察官 及び 被告人 又は 弁護人が合意の上、
文書の内容
又は 公判期日に出頭すれば供述することが予想されるその供述の内容
を書面に記載して提出したときは、

その文書 又は 供述すべき者を取り調べないでも、
その書面を証拠とすることができる。
この場合においても、
その書面の証明力を争うことを妨げない。
(証明力を争うための証拠)    条文別へ
第328条   第321条 乃至 第324条の規定により証拠とすることができない書面 又は 供述であつても、
公判準備 又は 公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、
これを証拠とすることができる。
第2編 第一審    全条文     編章別条文→     ← 前編     次編 →     ↑先頭へ
第3章 公判    全条文     編章別条文→     ← 前章     次章 →     ↑先頭へ
第5節 公判の裁判    全条文     編章別条文→     ← 前節     ↑先頭へ
(管轄違いの判決)    条文別へ
第329条   被告事件が裁判所の管轄に属しないときは、
判決で
管轄違の言渡をしなければならない。

但し 第266条第2号の規定により地方裁判所の審判に付された事件については、
管轄違の言渡をすることはできない。
(管轄違い言渡しの制限)    条文別へ
第330条   高等裁判所は、
その特別権限に属する事件として公訴の提起があつた場合において、
その事件が下級の裁判所の管轄に属するものと認めるときは、

前条の規定にかかわらず、
決定で
管轄裁判所にこれを移送しなければならない。
(同前−管轄違い言渡しの制限A)    条文別へ
第331条  裁判所は、
被告人の申立がなければ、
土地管轄について、
管轄違の言渡をすることができない。
2項  管轄違の申立は、
被告事件につき証拠調を開始した後は、
これをすることができない。
(移送の決定)    条文別へ
第332条   簡易裁判所は、
地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、
決定で
管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。
(刑の言渡しの判決、刑の執行猶予の言渡し)    条文別へ
第333条  被告事件について犯罪の証明があつたときは、
第334条の場合を除いては、
判決で
刑の言渡をしなければならない。
2項  刑の執行猶予は、
刑の言渡しと同時に、
判決でその言渡しをしなければならない。

猶予の期間中保護観察に付する場合も、
同様とする。
(刑の免除の判決)    条文別へ
第334条   被告事件について刑を免除するときは、
判決で
その旨の言渡をしなければならない。
(有罪判決に示すべき理由)    条文別へ
第335条  有罪の言渡をするには、
罪となるべき事実、
証拠の標目
及び 法令の適用を示さなければならない。
2項  法律上犯罪の成立を妨げる理由
又は 刑の加重減免の理由
となる事実が主張されたときは、

これに対する判断を示さなければならない。
(無罪の判決)    条文別へ
第336条   被告事件が罪とならないとき、
又は 被告事件について犯罪の証明がないときは、

判決で
無罪の言渡をしなければならない。
(免訴の判決)    条文別へ
第337条   左の場合には、
判決で
免訴の言渡をしなければならない。
 確定判決を経たとき。
 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。
 大赦があつたとき。
 時効が完成したとき。
(公訴棄却の判決)    条文別へ
第338条   左の場合には、
判決で
公訴を棄却しなければならない。
 被告人に対して裁判権を有しないとき。
 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。
 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。
 公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。
(公訴棄却の決定)    条文別へ
第339条  左の場合には、
決定で
公訴を棄却しなければならない。
 第271条第2項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。
 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。
 公訴が取り消されたとき。
 被告人が死亡し、 又は 被告人たる法人が存続しなくなつたとき。
 第10条 又は 第11条の規定により審判してはならないとき。
2項  前項の決定に対しては、
即時抗告をすることができる。
(公訴取消しによる公訴棄却と再起訴の要件)    条文別へ
第340条   公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、
公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、
同一事件について更に公訴を提起することができる。
(被告人の陳述を聴かない判決)    条文別へ
第341条   被告人が
陳述をせず、
許可を受けないで退廷し、
又は 秩序維持のため裁判長から退廷を命ぜられたときは、

その陳述を聴かないで
判決をすることができる。
(判決の宣告)    条文別へ
第342条   判決は、
公判廷において、
宣告により
これを告知する。
(禁錮以上の刑の宣告と保釈等の失効)    条文別へ
第343条   禁錮以上の刑に処する判決の宣告があつたときは、
保釈 又は 勾留の執行停止は、
その効力を失う。
この場合には、
あらたに保釈 又は 勾留の執行停止の決定がないときに限り、
第98条の規定を準用する。
(禁錮以上の刑の宣告後における勾留期間等)    条文別へ
第344条   禁錮以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、
第60条第2項但書 及び 第89条の規定は、
これを適用しない。
(無罪等の宣告と勾留状の失効)    条文別へ
第345条   無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶予、公訴棄却(第338条第4号による場合を除く。)、罰金 又は 科料の裁判の告知があつたときは、
勾留状は、
その効力を失う。
(没収の言渡しがない押収物)    条文別へ
第346条   押収した物について、
没収の言渡がないときは、
押収を解く言渡があつたものとする。
(押収物還付の言渡し)    条文別へ
第347条  押収した贓物で
被害者に還付すべき理由が明らかなものは、

これを被害者に還付する言渡をしなければならない。
2項  贓物の対価として得た物について、
被害者から交付の請求があつたときは、
前項の例による。
3項  仮に還付した物について、
別段の言渡がないときは、
還付の言渡があつたものとする。
4項  前3項の規定は、
民事訴訟の手続に従い、
利害関係人がその権利を主張することを妨げない。
(仮納付の判決)    条文別へ
第348条  裁判所は、
罰金、科料 又は 追徴を言い渡す場合において、
判決の確定を待つてはその執行をすることができず、
又は その執行をするのに著しい困難を生ずる虞があると認めるときは、

検察官の請求により
又は 職権で、
被告人に対し、
仮に罰金、科料 又は 追徴に相当する金額を納付すべきことを命ずることができる。
2項  仮納付の裁判は、
刑の言渡と同時に、
判決で
その言渡をしなければならない。
3項  仮納付の裁判は、
直ちにこれを執行することができる。
(刑の執行猶予取消しの手続)    条文別へ
第349条  刑の執行猶予の言渡を取り消すべき場合には、
検察官は、
刑の言渡を受けた者の現在地 又は 最後の住所地
を管轄する地方裁判所、家庭裁判所 又は 簡易裁判所に対し
その請求をしなければならない。
2項  刑法第26条の2第2号 又は 第27条の5第2号の規定により
刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、

前項の請求は、
保護観察所の長の申出に基づいてこれをしなければならない。
(同前−刑の執行猶予取消しの手続A)    条文別へ
第349条の2  前条の請求があつたときは、
裁判所は、
猶予の言渡を受けた者 又は その代理人の意見を聴いて
決定をしなければならない。
2項  前項の場合において、
その請求が刑法第26条の2第2号 又は 第27条の5第2号の規定による猶予の言渡しの取消しを求めるものであつて、
猶予の言渡しを受けた者の請求があるときは、

口頭弁論を経なければならない。
3項  第1項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には、
猶予の言渡を受けた者は、
弁護人を選任することができる。
4項  第1項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には、
検察官は、
裁判所の許可を得て、
保護観察官に意見を述べさせることができる。
5項  第1項の決定に対しては、
即時抗告をすることができる。
(併合罪中大赦を受けない罪の刑を定める手続)    条文別へ
第350条   刑法第52条の規定により刑を定むべき場合には、
検察官は、
その犯罪事実について最終の判決をした裁判所に
その請求をしなければならない。

この場合には、
前条第1項 及び 第5項の規定を準用する。

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